ネット不安増幅症

私は人さまの健康を扱う仕事をしておりますので、何かしら病気をかかえていたり、不調を感じていらっしゃる方々とお目にかかる機会が多いです。
昨今はスマートフォンなどの普及が進んだこともあり、手軽にインターネットの情報にアクセスできるようになったせいか、

「病院の検診で結果が出たので、ネットで検索してみたら〇〇病じゃないかと心配になった…」

「医者はああいうけど、ネットで調べたら、こんな治療法の方がいいらしい…(不安)」

「ネットで見た△△という症状は私に当てはまるんだけど、もしかして〇〇症候群じゃないかしら…(取り越し苦労)」

などとお話になる方が多くいらっしゃるようになりました。

テレビでも中高年向けの健康番組が数多くありますが、その手の番組を見てみると、列挙された症状の中には、中高年なら一つや二つ必ず当てはまるようなものを紛れ込ませて、不安を煽るようなものが多くあります。
作り手は不安を煽ることで視聴者を釘付けにし、ひいては視聴率を稼ぎ、スポンサーからの収入を増やそうという魂胆なのでしょう。

ネットの世界でも同じような傾向がみて取れます。
もっともらしく病気の解説をしているものの、実情はどこかの健康用品会社の宣伝サイトだったり、何とか療法家が科学的根拠のない私見を述べているに過ぎないものだったり、アンチ西洋医学派のプロパガンダサイトだったりすることがあります。

そういうあやふやなネット情報やテレビ番組を持ち出してきては、色々と相談のような議論なようなことを投げかけてくる方には、申し訳ありませんが、正直、辟易してしまいます。
ドクター(西洋医)も状況は一緒なのでしょう、そういう患者さんに対してはどこのドクターも最近は定型句のように返答しているようです。

「ネットやテレビの情報を信じるのですか?それとも直接あなたを診ている私を信じるのですか?ネットやテレビの情報を信じてその通り対処して、もし間違っていたとしてもネットやテレビ局は責任を取ってくれませんよ」と。

ネットやテレビでその手の情報を得ようとするときは、その情報の出処(ソース)や利害関係をしっかりと確認することが大切です。
心配や不安、取り越し苦労に勝る病気のタネはありませんから。

さらに、より高い意識をお持ちの方は「必要な情報は必要な時に自然に入ってくるもの」という真理をわきまえていらっしゃるものです。

医者嫌い

仕事がらか、お医者さん嫌いの人だったり、西洋医学不信の方にお目にかかることが多いです。
私もどちらかといえばあまりお医者様のお世話にはなりたくないタイプですが、西洋医学否定論者ではありません。
患者様の状態を冷静に見極めて、西洋医学的な診断や投薬を受けた方がいいと判断したら躊躇なくそれを薦めています。

かつてとある大学病院で生体検査を受けた経験があります。
若い先生だったこともあるのでしょうが、その検査はごく簡単に終わるようなことを言うものなので、こちらも軽い気持ちで受けてみたら、、、とんでもなかった!

術中はインターンの学生に囲まれて、まるで自分がモルモットになったかのような辱めを受け、帰宅後には麻酔が切れてくるにつれて痛みは増すのですが、鎮痛剤すら処方してくれていず…。
仕方なく市販の鎮痛剤でやり過ごそうとしましたがそれも効かず、結局一晩中痛みでうずくまっていた体験をしたことがあります。

この時の体験があってから、「できるだけ患者さんに負担をかけない方法で病気を治してあげたい」という気持ちが芽生え、後に東洋医学の道に進むことになりました。
その後この大学病院からは足が遠のき、やがてスピリットヒーリングに出会うことにもなります。
辛い体験でしたが、後々考えると有意義な体験をさせていただいたと思うことができます。

あの時、大学病院の先生が検査のことや術後のことについてしっかりと事前に説明してくれていたり、鎮痛剤を処方してくれていたり、検査入院なりで術後のフォローをちゃんとしてくれていたりしたら、この先生に対する私の評価は変わっていたことでしょう。

医者嫌いの人や西洋医学不信の方のお話を伺ってみると、私と同じように不快な体験をされている人がほとんどですので、そうなったお気持ちも理解できます。
ただよくよく伺ってみると、西洋医学不信になったきっかけの体験の原因がその担当医自身に問題があるのにも関わらず、その担当医を通して偏狭に西洋医学を見て判断している場合が多いのです。
「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、西洋医学不信の方は「一本の木を見て森のすべて」と誤解されていらっしゃることが少なくありません。

医療といえども人間が行う行為ですから完璧はありえません。
自分が完璧ではないのと同様に、偏差値が高いお医者様とはいえ人間的に完成されているわけではありません。
あまりにもお医者様に高尚なものを求めすぎると、そのギャップに失望してしまうのがオチです。

たった一人の医者の不用意な言動が、西洋医学全体のイメージを悪化させていることも事実ですが、 西洋医学には西洋医学の良いところもたくさんあります。
機器を使った診断の正確さは右に出るものはないでしょう。
お薬や治療法についても、副作用が少なくピンポイントで効果を出すようなものが日々開発されています。
戦時下に西洋医学が発展していったという史実は、緊急時の応急手当に関して一定の効果が認められたからです。

一方で西洋医学悪者論を自ら吹聴して集客しようとする悪質な各種療法家もいます。
医学的見識のないナントカセラピストとか、ナントカ療法家、あるいはナントカ水業者に心酔するあまり、そのいい加減な助言に振り回されて、病気が進行してしまったり、症状が一向に改善することのなかった患者様もたくさん目にしてきました。
疲労回復や気分転換程度でしたら各種療法でも良いかもしれませんが、痛みなどの具体的な症状が出ている場合は、まず第一に医学的な有免許者の門を叩くべきです。

そして西洋医学の良いところ、東洋医学の良いところ、代替療法の良いところ、これらを冷徹な目で評価してご自身にあった治療法を選ばれれば良いのではないでしょうか。


はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師は、法律が定めた過程を終了し、国家試験に合格して免許を与えられた医療行為者です。
これらの有免許者は医療を提供しているのであって、いわゆる類似行為ではありません。
その職務上様々な症状や病状に対応する必要があるため、広範な医療知識を求められます。
したがって治療法に関してのセカンドオピニオンをご提供することも可能です。
今後の治療について悩まれた時などにもご用命下さい。
ただしあくまでも参考意見ですので、その後についてはご自身の責任のもとでご判断ください。